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鬼婆に梅干しばばあ

 歌舞伎で、老婆や鬼婆がでてくるものがある。女形が皺の隈取りをして、腰を曲げ、しわがれ声でセリフを言う。

 大奥ものにも、白髪の腰元頭がでてくる。かなりの貫録で、ものをいう。

舌きり雀や、やまんばなど遠野の昔話にも、日本各地に残る昔話にも、子どもを食う鬼婆がでてくる。

幼いころ、夕方暗くなるまで遊んでいて、帰りが遅くなると、母親に「鬼婆が山から下りてきて、食われちゃうんだぞ」とおどされた。

 年をとった女。なにやら恐ろしげ。おじいさんでは、様にならない。鬼じじいはあまりきかないもの。

昨日、息子が、わたしのアップの顔写真をとって、それを見ながら、「ママ、通販番組でやってたけど、外出中だけ、皺を伸ばすクリームがあるんだよ。目の横と、口の周りにこうやってぬるといいんだよ」と、まことしやかなしぐさもしながらいった。

 古事記のイザナギイザナミの話で見るように、女性がいろいろのことに情が深く、未練や、嫉妬やうずまくのは、やはり命と向き合う種を孕む性ゆえか。皺とともにそれが深まっていくのか。 子どもたちにお話する時や、歌舞伎芝居の演目内容、古典文学を紐解くたびに、考える。 

 教養豊かに品よく美しく年をとることと、見た目の若さのキープって、正比例なのかしら、反比例なのかしら。

 

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